クリエイター職を目指すなら?

下記の記事を見て思うところがあったのでちょっと書いてみます。

・こんな学生、いりません / はてな匿名ダイアリー
http://anond.hatelabo.jp/20170123041742


  • 記事の内容

クリエイター系の会社で働いている方が、「こんな学生、いりません」と下記の7項目を挙げています。


1.何も作ってない
2.具体的なビジョンがない
3.インプットが足りない
4.実績・経歴を勘違いしている
5.友人が多いことは良いことだと無条件に信じている
6.攻める姿勢がない
7.お金をいただく、ということに嫌悪感を持っている


これに対して賛否多くの反応があり話題となっているみたいです。

全体的に少しキツくトゲのある言い方をしている感じもしますが、後半に「最後に」と以下のように書かれています。

正直な話、ここに書いたことをやらかしてしまっている学生さんでも、夢見ていた業界へ就職できる人は居ます。
たくさん居ます。
「就職」がゴールであれば、それでハッピーエンドです。
しかし、これらの項目に当てはまり、かつ直さなければいけない部分があると自覚できないまま就職・出社すると、
ほぼ間違いなく大変な社会人生活を送ることになります。

また、「1/25追記」とあり、以下のことも書かれています。

さて、確かにここに書かれていることについては、一般的な総合職などを目指す方にとっては高望みしすぎに見えると思います。
しかしこの記事の本来想定していた層というのは、デザイン、映像、CG、ゲーム、アプリ、音楽等の制作に携わるクリエイティブ職(企画、プログラマー、デザイナー、コンポーザーなど)を志望する学生さんでした。そしてまた、この記事は「こうすべき!」という意味ではなく「これはやめとけ!」という地雷カタログのようなつもりで書いておりました。
別にコンテストで入賞してなきゃいけないなんて書いてないんです。「アピールしても意味がないものを堂々とアピールしたらマイナス評価になりかねないですよ」と言ってるんです。

これを書いた方は「こんな奴は絶対採用されねーから来るな!」と言いたいわけではなく、優しい言い方をすれば「後々苦労するから気を付けなよ」と諭してくれているんじゃないでしょうか。そういう意味では書いている内容のほとんどは頷けます。ただ、全部まったく同じ考えというわけではないので、私も元会社員クリエイターの端くれとして、自分の考えを少し書きたいと思います。


  • 各項目について私が思うこと

4.実績・経歴を勘違いしている
5.友人が多いことは良いことだと無条件に信じている
6.攻める姿勢がない
7.お金をいただく、ということに嫌悪感を持っている

順番が前後しますが、まず上記の4項目については「あー、学生ならありがちかもしれないなー」って思います。少し考えて気を付ければ問題ないでしょう。
その他の3項目についてはちょっといろいろ思うところがあります。


1.何も作ってない

これについてはもっともだと思います。成果物が無くてもスキルで採用っていうのもないことはありませんですが、絶対に学生のうちから何かしら作った方がいいです。環境、技術、時間を言い訳にせず、クオリティはいくら低くてもいいので、とにかく何か作った方がいいです。
成果物の内容は選考評価の範囲外かもしれませんが、成果物の存在自体は確実にプラスですし、経験としてもきっと活きるはずです。


2.具体的なビジョンがない

これが学生にとってはかなり難しい部分なんじゃないかなーと思います。学生の時点で具体的にはっきりとしたビジョンを言える人はほとんどいないでしょうし、それどころか今まさに働いているクリエイターでもはっきりと言える人って少ないんじゃないですかね…?
もちろん何も考えてないじゃダメですし、それについて現時点での考えを持つことは重要だと思います。でも、きっと学生時点での考えはずっとクリエイターとして働いてきた人たちから言わせればツッコミどころ満載でしょう。働いてからじゃないと見えないものってたくさんありますからね。
ちょっと厳しいだろうな〜と思うと同時に、とても重要なテーマでもあると思います。学生も既に働いている人も私も、考えなきゃな〜。


3.インプットが足りない

これについてもわかるんですが、具体的にこうすべきってはっきり言うのは難しい内容だと思います。
元記事には極端な例が書かれていますが、じゃあ例えば「任天堂で働きたい」という人がバーチャルボーイを知らないのはアウトかセーフか…、みたいな。まあそれは冗談ですが、進もうとする道に対して「これは知ってなきゃいけない」っていうのは誰が決めるわけでもないですし、人によって考えも様々でしょう。
それに、インプットして有益なものって必ずしも自分が作ろうとしているものに関わることとは限りませんしね。例えば、漫画を描くクリエイターが多くの漫画を読むのはもちろんインプットでしょうし、映画でもゲームでもただの日常の経験でもインプットと言えるでしょう。どちらがより良いかは一概には言えないと思います。
ただ、たまに「あえてインプットを拒むことでオリジナリティを出す」って人もいますが、それでいい人はいいかもしれませんが、多くの方の場合は違うと思います。インプットは多い方がいいと思います。


以上が私の記事に対しての考えです。


  • 1つ付け加えるなら

なんかはっきりとしないこと書いて「人それぞれでええんやで」みたいな甘っちょろいこと書いてますが、じゃあどうすりゃええねんってなりそうなので、記事のこと以外で私が思うクリエイター職につく為に重要なことを1つ。


それは会社としての仕事に対する意識です。


例を挙げると、
「デザイナー志望です!何でもいいのでデザインの仕事がしたいです!」
のように、個人の仕事のことばかりに目が行って、周りの仕事や会社全体が何をやっているかに興味がないのはマズイです。自分が直接触れる部分にしか見ていない人は、他と連携は取れないし最終系を見据えて良いものが作れません。仕事内容も思っていたこととは違うこともきっとありますので、すぐに仕事が嫌になってしまう可能性が高いです。
実際のクリエイター志望の方でこういう方は多いと思います。会社を探すまではそれでもいいと思います、知らないことも多いでしょうし。しかし受けるとなったら、そこに就職した後のこと、その会社の一員としてやっていくことを考えておくべきです。企業研究をしっかりやれとか面接ではったりかませってことではありません。自分の仕事の最終系に興味が持てるかってことです。
これって割と会社員クリエイター特有のような気がします。他の職種に比べてクリエイターは個人の仕事に対する意識が強いと思いますし、個人クリエイターは一人ですのでその辺りは自由です。個人クリエイターもクライアント案件はその辺りを意識するのが重要かもしれませんね。


  • 以上です

さらっと書くつもりが思ったよりも長くなってしまいました。
このように他の方の記事などを見て思うことはいろいろあるのですが、今まではあんまり書くことはしてませんでした。今後はこういうちょっと意識高い系な記事も書いていこうかな〜なんて思ってます。

そんなわけで本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。